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小学校初任者教師の困難は何か?
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File / Name | License |
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30(1)_005_Teramachi.pdf |
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アイテムタイプ | [ELS]紀要論文 / Departmental Bulletin Paper |
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言語 | 日本語 |
キーワード |
初任者教師 , 困難 , 責任 , 学級担任 |
雑誌書誌ID |
AN10457429
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ページ属性 | P |
著者 |
寺町 晋哉
/ テラマチ シンヤ
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著者所属(日) |
宮崎公立大学人文学部
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記事種別(日) |
論文
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抄録(日) |
本稿では「できないこと」を共有しやすい小学校初任者教師が責任の分有を果たせるのか を分析することで、小学校初任者の困難を生み出す要因を明らかにした。
本稿では、初任者教師へ行ったインタビュー調査のデータをもとに分析を行った。分析の視点として、「責任の分有」を目指すヴァルネラビリティ・モデルを用い、初任者の業務や児童に対する責任が「誰にどのように担われているのか」を分析した。 初任者は入職直後から学級担任・授業者として質量ともに膨大である業務をこなしており、日々の仕事をこなすことで精一杯であった。また、初めて教師として働くため、「できない」ことも多く、それゆえの困難や悩みを抱えていた。そして、困難や悩みを周囲に共有できても、他の教師と責任の分有が行われることは少なく、担任として責任が紐づけられていた結 果(「責任の個別化」)、最終的には初任者が対応せねばならない状況になっていた(個業性)。 初任者であっても担任として「責任の個別化」から抜け出せないことは二つの問題がある。第一に、児童が「危害」に晒され続けるということである。学級担任業務と授業を初任者一人で遂行する、非常に無理のある現在の制度設計の皺寄せが全て、児童たちへ向かうことになる。第二に、初任者自身も「危害」へ晒される。長時間労働でなければ業務を遂行できないだけでなく、「できない」ことへ直面し、苦悩も含めてそれを周囲へ共有しても、助言や研修を通して「できるようになる(成長)」責任を初任者は求められており、そのことが更なる多忙・重労働という「危害」へ晒すことになる。 |
雑誌名 | 宮崎公立大学人文学部紀要 |
巻 | 30 |
号 | 1 |
ページ | 49 - 64 |
発行年 | 2023-03-09 |
表示順 |
5
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ISSN |
13403613
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